唐辛子をベースに七種類の材料がブレンドされた七味唐辛子。その華やかな香りは、うどんや豚汁、焼き鳥などの料理と相性抜群です。料理をある程度食べてから振りかけて味の変化を楽しむ方もいれば、最初からたっぷりかけないとモノ足りないという方もいるでしょう。

家庭でも当たり前のように常備されている七味唐辛子ですが、実は使用されるスパイスやそのバランスは作り手によって少しずつ異なります。今回は七味唐辛子によく使用される材料と、一味唐辛子との使い分けについてご紹介します。

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七味唐辛子の味を決める「二辛五香」とは

七味唐辛子はピリッとした辛さと、爽やかな香りが特徴のブレンドスパイスです。一般的には、辛さのもととなる材料2種と、香りを重視した5種の材料を組み合わせた「二辛五香(にしんごこう)」で調合されています。材料の選択や配合のバランスには定義がないため、見た目や味はメーカーによってさまざまです。旅先などで七味唐辛子を味わうと、慣れ親しんだ風味との違いに驚くことがあるかもしれません。

七味唐辛子の辛みは唐辛子や山椒によるもので、料理に加えると程よいアクセントとなり食欲をかき立てます。五香として調合されるのは、胡麻、麻、けしなどの穀物や陳皮(みかんの皮)、シソなど。多くの日本料理は、砂糖、醤油、みりんで味付けする都合でどうしても色が地味になりがちですが、七味唐辛子を振りかければ赤やオレンジの彩りで料理が明るく映えるでしょう。

■こんなに違う!日本三大七味の材料

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江戸時代、日本橋で生まれた七味唐辛子は、江戸の食文化の普及とともに全国各地に広まっていきました。その過程で生まれた「日本三大七味」には、それぞれ違った材料が使われています。

東京、浅草に店を構える「やげん堀」の七味唐辛子は、唐辛子と焼唐辛子を使用し、黒胡麻、山椒、陳皮、けしの実、麻の実で香り高く仕上げているのが特徴。京都「七味家本舗」は唐辛子、山椒、麻の実、白胡麻、黒胡麻というベーシックな材料に青のりと青じそを加え、薄い味付けの京料理ともマッチする香りを実現しています。

山椒と生姜で唐辛子の辛さを補い、麻の種、胡麻、陳皮、しそで味の調和をとっているのが長野の「八幡屋礒五郎」です。日本三大七味は現在も大変人気ですが、江戸時代当時は
薬としての効果が期待されたこともあったのだとか。

■輸出用の七味唐辛子は国内用と配合が違う?

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七味唐辛子は、日本食の人気拡大とともに世界的にも普及しつつありますが、その障壁となっているのが「麻の実」「けしの実」の扱いの違いです。七味唐辛子に含まれている麻の実やけしの実は、熱処理が加えられているので食べても安全ですが、一部の国では流通が規制されているため、大手メーカーは代わりに生姜や胡麻を加えて唐辛子の風味を補っています。

もし海外で七味唐辛子を見かけたら、日本のものとの違いを比べてみても楽しいですね。

「一味」と「七味」はどう使い分ける?

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唐辛子のみを材料とする一味唐辛子は、香りのある薬味や香辛料をブレンドした七味と比べると辛く感じるでしょう。香りはシンプルで味の邪魔をしないので、和風の料理以外の味付けにも使えます。辛みが好きな方は、一味唐辛子を野菜炒めやエビチリなどに加えるといいでしょう。

七味唐辛子は調理の過程で入れるのではなく、食べる直前の料理にかけて香りや彩りを楽しむのに向いています。最近はピザ専用の七味や七味ニンニクなど、バリエーション豊かな商品もあるのでさまざまな種類の七味唐辛子を試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

辛さのなかにも香ばしさや爽やかさが感じられる七味唐辛子。自分好みの七味唐辛子を見つければ、食事がよりおいしく、より楽しくなりそうですね。

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