古くから貴重なたんぱく源として日本人の食生活を支えてきた魚。輸送や保存の技術が発達した現在では、秋はサンマ、冬はブリなど、全国どこでも旬の魚を食べることができます。

とはいえ、魚が消費者に渡るまでには輸送や加工などの過程があり、時間がたつほど鮮度が落ちてしまうのは避けられないこと。魚を使っておいしいうどん料理を作るために、小売店では鮮度の高い魚を選んで買うようにしましょう。今回は新鮮な魚の見極めポイントをご紹介します。

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魚のおいしさは鮮度で決まる

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肉や魚、野菜などの生ものは、鮮度が安全性やおいしさのカギを握っています。とくに魚は牛肉や豚肉に比べて身の水分量が多いため、あっという間に鮮度が落ち、味も劣化してしまうもの。魚が鮮度を保てる期間は種類や保存方法によってまちまちですが、冷蔵なら水揚げから4~5日までがおいしく食べられる期間といわれています。小売店では魚の水揚げ日まで知ることは難しいので、魚を購入するときは自分の目で鮮度を見極めるようにしましょう。

魚の生臭さのもとになるのは、死後硬直が終わった後に発生する「トリメチルアミン」という成分です。冷蔵庫内の魚に生臭さを感じたら腐敗が始まったサインなので、早めに調理して食べましょう。トリメチルアミンは熱で揮発しやすい性質を持つため、臭いがある魚は揚げ物や煮つけにして食べるのがおすすめです。

■魚を長持ちさせる「干物」の技術

現在のような冷蔵技術がなかった時代は、魚を保存する手段といえば干物でした。内臓と頭を取り除いた魚に塩味をつけて低温で乾燥させると、魚に含まれるたんぱく質の構造が変わり、旨味が増します。

水分が減って味が濃密になった干物は、塩焼きはもちろん、煮物や炊き込みご飯の具材にしてもおいしく食べられます。主に関西で食べられている「にしんうどん」は、身欠きにしんを甘露煮にしてかけうどんにのせたもの。にしんの脂がつゆに溶け出し、上品な味に仕上がります。

美味しい魚の見分け方

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生魚をうどん料理に使うなら、できるだけ新鮮でおいしい魚を選びたいものです。魚を買うときはどれも同じと思わずにしっかりと鮮度を吟味しましょう。

水揚げから時間がたっていない魚は、目が透明に澄んでいて黒目もはっきりしています。また全体にツヤがあり、うろこもそろってついているのが特徴です。もし目が赤くなっていたり、白く濁っていたりしたら鮮度が下がっているので注意しましょう。えらの内側が鮮やかな赤ではなく、赤黒い色をしているのも新鮮でない証拠です。えらを少し持ち上げたときの色で鮮度を見極めましょう。

死後硬直が解けてから時間がたっている魚は、えら付近を持ったときに尾びれが垂れてしまいます。魚が一番おいしいタイミングは、「死後硬直が始まってから終わるまでの間」といわれているので、氷水から魚をピックアップするときは魚の固さも確かめましょう。

また、魚の外見をよく観察すれば、脂ののり加減も判断できます。秋の味覚として知られるサンマは、下あごの先が黄色いものほど脂がよくのっています。しかし、鮮度が落ちると下あごの先端が茶色に変色していくので色の鮮やかさにも注目です。

魚は取り込んだ栄養を脂肪として背中に蓄えるので、脂がのっている魚はお腹ではなく背中が盛り上がります。背中に脂がついた魚は相対的に顔が小さく見えるので、売り場では小顔の魚を選ぶのがポイントです。

■切り身は水や血が出ていないものを選んで

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魚の切り身を買うときは、切り身の下に敷かれた吸水紙に赤い汁が染み込んでいないか確認しましょう。切り身から赤い汁が出ていたら鮮度が落ちているサインです。イカやタイなどの身が白い切り身は色をよく見て透明感があるものを選びましょう。

魚は空気に触れる部分が多いほど劣化が早まります。お刺身はすでに切られているものではなく、サク(魚をさばいてブロック状にしたもの)の状態で買って、食べる直前に切るといいでしょう。サクは切り口の角がしっかり張っているもののほうがより新鮮です。

まとめ

鮮度が高い魚は生臭さがなく、刺身や塩焼きなどのシンプルな調理法でおいしく食べられます。スーパーで魚を買うときは色やツヤ、脂のつき方をよく見ておいしい魚を選んでください。

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