街がクリスマス色に染まる12月。色とりどりのイルミネーションには思わず足を止めてしまいますが、家に帰れば大掃除や年賀状の準備で大忙しという方も多いのではないでしょうか?

バタバタしがちな年末年始ですが、大みそかや元日くらいは日常の忙しさを忘れてゆっくりと過ごしたいもの。お正月に食べる「おせち」も、そんな発想から生まれた日本の伝統文化です。今回はおせちに込められた願いや、おせちと一緒に楽しめるうどん料理をご紹介します。

shutterstock_516866173.jpg

日本の伝統文化「おせち」とは

おせち料理は、季節の変わり目(元日と五節句)に神にお供えをする宮中行事「お節供(おせちく)」が、江戸時代後期に庶民へ広まったことで生まれた食文化です。おせち料理の基本となるのは「祝い肴」や「三つ肴」とよばれる3つの料理で、関東では黒豆、数の子、ごまめ(田作り)、関西では黒豆、数の子、たたきごぼうがこれにあたります。

おせちは日持ちする献立を中心に作られていますが、これは普段食事を作っている女性に「お正月は炊事を休んでもらう」という意味が込められているため。また、「神様をお迎えした新年には台所を騒がせない」という平安後期の慣習が、新年におせちを食べる文化の基礎になったという説もあります。おせちは元旦からの三が日で食べるのが一般的ですが、北海道や東北の一部では大みそかの夜から食べる習慣もあるようです。

■重箱はそれぞれの「段」に意味がある

shutterstock_1015386319.jpg

伝統的なおせちは、"めでたさを重ねる"という縁起を担ぎ、四段から五段の重箱に納めます。上段から一の重、二の重、三の重、与の重(四は祝い事にふさわしくない数字とされているため"与"の字があてられる)と呼ばれていますが、それぞれの段のテーマを考えながら食べると、おせちをより深く味わえるでしょう。

重箱の使い方は地域や家庭によってさまざまですが、一の重には「祝い肴」である黒豆や数の子などを詰めるのが一般的です。二の重に入るのは伊達巻や栗きんとんなどの甘いもの。お酒が飲めない子どもも楽しめるごちそうが多い段です。三の重には「焼き物」、与の重には「煮物」という形式が伝統的ですが、現代では一の重と二の重をひとつにまとめた三段重がポピュラーになっています。

年末年始はおせち料理を作ってみよう

a1aec60d6690dc71763c91a313d4f3f0_s.jpg

多くのおせちは、具材を火にかけ、醤油、砂糖、みりんなどの調味料で煮つけることで完成します。初めておせちづくりに挑戦するという方には「エビの甘煮」がおすすめ。エビはその形から「腰が曲がるまで丈夫に」と長寿を願う縁起物とされており、パッと映える鮮やかな見た目は祝肴にピッタリです。背ワタを取ってから煮つけると、生臭さが消えて食べやすいでしょう。

また、「よろこぶ」の語呂合わせが楽しい昆布は、子孫繁栄を表すとして結納の食事にも用いられるなどお祝い事には欠かせない食材です。昆布巻きはサバやニシンを昆布で巻くレシピが一般的ですが、7センチほどに切った昆布を2~3枚重ね、かんぴょうで巻いて煮るだけでも、昆布本来のうまみが楽しめる定番おせちが作れます。

■お正月は「おせちのせうどん」を試してみよう

0d834a135eca5afb6ec89a7ad7a6e508_s.jpg

醤油、砂糖、みりんなど和食の味付けで作ったおせちは、うどんのつゆとも相性バツグン。おせちが余ったら、シンプルなかけうどんに好きなおせちをのせて「おせちのせうどん」を試してみましょう。

おせちのせうどんのつゆを作るときは、めんつゆと水を煮立たせたあと、水溶き片栗粉でとろみをつけると寒い冬にぴったりの味わいになります。エビや昆布巻きのほか、かまぼこ、伊達巻き、結び三つ葉をのせると、味も彩りもより豊かに。うどんのつゆを含んだおせちには、そのまま食べるときとはまた違った魅力があるかもしれません。

まとめ

日本の伝統的な食文化である「おせち」。重箱ですべて用意
しようとすると手間がかかりますが、自分の好きなおせちを1、2個作るだけなら、いつもの食事と同じ感覚でお正月料理を楽しめるのではないでしょうか? 市販のおせちをうどんにのせるアレンジもおすすめです♪
冷凍うどんなどの食品製造・販売を行うキンレイのオンラインショップでは、エビやかまぼこなど、おせちでもおなじみの具材が入った「おとり寄せコレクション 鍋焼うどん」を販売しています。年始におせちを食べる機会がない方も、彩り豊かなうどんでお正月気分に浸ってはいかがでしょうか?

鍋焼うどん_シズル.jpg


キンレイのオンラインショップはこちら