長崎発祥の「ちゃんぽん」と言えば、白いスープで具だくさんの麺料理をイメージする方が多いのではないでしょうか? しかし、滋賀県では和風出汁に中華麺を入れた「近江ちゃんぽん」がご当地グルメとして親しまれています。なんでも、近江ちゃんぽんのスープは白くないのだとか......。知る人ぞ知る、近江ちゃんぽんやその他のご当地ちゃんぽんの魅力に迫ります。
白くない!近江ちゃんぽんとは
「近江ちゃんぽん」は、創業昭和38年ちゃんぽん亭の前身である「麺類をかべ」にて誕生しました。近江ちゃんぽんも長崎ちゃんぽんと同じく豚肉や野菜をふんだんに使用した麺料理のため、「どちらも味は変わらないのでは?」と疑問に思うかもしれません。しかし決定的に違うのは、出汁とそのスープの色。長崎ちゃんぽんは汁が白いのに対し、近江ちゃんぽんは白濁していません。では、どのような出汁を使用しているのでしょうか。
■近江ちゃんぽんは和風出汁!
長崎ちゃんぽんのスープ出汁は、一般的に豚骨や鳥ガラをベースとしています。しかし、近江ちゃんぽんは、魚節と昆布を使用した和風ベース。発祥の地が京都にほど近い彦根ということもあり、昆布や削り節からとった「京風出汁」が主流となりました。のちに京風出汁にアレンジを加えたスープが、今の近江ちゃんぽんのスタイルとして定着しています。
スープは、黄金色で透き通っているのが特徴です。中華ではなく、和食として人気を博している近江ちゃんぽんは、「和風出汁のさっぱりとした口あたりがたまらない!」と50年以上も愛され続ける、滋賀の人気ご当地グルメとなっています。
ちゃんぽんに地域性がある?
興味深いことに、長崎から生まれたちゃんぽんが日本各地に広がり、その地域の"ご当地ちゃんぽん"が誕生したそうです。長崎をルーツとして地域カラーに染まり、それぞれの味わいを見出しているご当地ちゃんぽんには、どのような種類があるのでしょうか。
■天草ちゃんぽん
熊本県天草市のご当地ちゃんぽんとして有名な「天草ちゃんぽん」。大きな海老がトッピングされているのが特徴で、こちらも近江ちゃんぽん同様、さっぱりとした味わいが魅力です。えびやいか、あさりなど海の幸をふんだんに使用する店舗も。ボリューム満点の天草ちゃんぽんは、記憶に残るような味わいを楽しませてくれます。
■網走ちゃんぽん
北海道のご当地ちゃんぽん「網走ちゃんぽん」も、根強い人気を誇っています。網走ちゃんぽんは、焼きちくわやえびをはじめ、網走生産のシジミ・ホタテがトッピングされて濃厚な味わいが楽しめます。実は、このちゃんぽんにはある裏話が存在します。
2009年6月に開かれたイベント「焼きちくわの長さ日本一」の戦いにて、網走市が7m56cmの記録で見事日本一の称号を手に入れます。しかし、同年11月に再び行われた同イベントでは、長野県雲仙市が11m15cmという記録をたたき出し、結果をぬり替えました。2010年には両市が決着をつけるべく再び競い合うことに。その交流を通して両市が協力し、「網走ちゃんぽん」が生まれたとされています。
■鳥取カレーちゃんぽん
なんとも珍しいちゃんぽんとして評判を集めている「鳥取カレーちゃんぽん」。その名の通り、カレーとちゃんぽんの出汁が麺と具材を包み込んでいます。店舗にもよりますが、一般的なトッピングは、白ネギの千切りや半熟茹で卵です。
また、「鳥取県では街中で鳥取カレーちゃんぽんが気軽に食べられる」と話題に。街中販売をしているのは、ワンコイン出張販売をしているイエローが特徴のワゴンカー。うさぎ型のはんぺんがトッピングされているちゃんぽんが提供され、"インスタ映え"を狙った若者たちからも人気を集めているそうです。いかなど具材も豊富に盛られているので、食べ応えのある一皿となっています。
まとめ
和風出汁がきき、さっぱり感がくせになる近江ちゃんぽんは、今もなお愛され続けている滋賀のソウルフードです。滋賀県のほか、熊本や北海道、鳥取とそれぞれ各地域の特色あるちゃんぽんも魅力的ですよね。訪れた際にぜひ味わってみてください。うどん・ちゃんぽんが好きな方にはおすすめです。
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