和食のだしとしてよく使われる食材には、カツオや昆布、煮干し、椎茸などがありますが、九州ではトビウオを使った「あごだし」が最高級のだしとして親しまれています。あごだしの産地、特徴から、だしの取り方、あごだしを使っておいしいうどん料理を作るポイントまでご紹介します。

AdobeStock_124234358_1000.jpg

上品で香り高い「あごだし」の魅力

「あごだし」とは、トビウオから取っただしのこと。日本近海に20~30種類生息するトビウオのうち、細トビウオ(丸トビ)と、筑紫トビウオ(角トビ)の2種類があごだしの原料として使われています。

トビウオから出るだしには、すっきりとした旨みと甘みがあるため、さまざまな料理と相性抜群。肉や魚はもちろん野菜ともよく合うため、おでんや煮込み料理などにもおすすめです。また、うどんやラーメンなどの麺類のほか、茶碗蒸し、チャーハン、味噌汁などの料理にも活用できます。

トビウオは栄養価が高く、筋肉などの元となるタンパク質、血液をサラサラにするEPAやDHA、活性酸素を除去するビタミンE、丈夫な皮膚を維持するビタミンB6、赤血球のヘモグロビンの合成を助けるビタミンB12を多く含んでいます。あごだしを料理に使えば、それらの栄養素を手軽に摂ることができますね。

■トビウオがあごだしになるまで

AdobeStock_249543598_1000.jpg

あごだしの原料であるトビウオは、島根県の県魚としても知られています。トビウオから取ったあごだしが料理に多く使われているのは中国・九州地方で、トビウオを干物に加工してからだしを取ります。

トビウオの収穫期は6~7月。あごだしの素となるあご煮干しも、この時期に生産されます。新鮮なトビウオの頭と内臓をきれいに取り除き、熱湯で煮たら、骨を取って身を割り、乾燥させれば「あご煮干し」の完成です。あご煮干しを煮出すことで、おいしいあごだしが取れます。

1キロの煮干しを作るのに、トビウオが70匹ほど必要になるそう。新鮮なトビウオを手早く加工し、内臓もしっかり取り除くため、完成したあご煮干しは臭みがなく、旨味が凝縮されています。

あごだしでおいしいうどん料理を作ろう

すっきりとした旨みと甘みが特徴のあごだしは、うどん料理にもピッタリ。よりおいしく調理するためのポイントを解説します。

■「あごだし」の取り方

AdobeStock_74883667_1000.jpg

あごだしを取るには、水とあご煮干しを用意し、1時間ほど浸け置いてから煮出します。沸騰したらアクを取り除き、弱火で20分ほど煮出し、火を止めます。煮立てすぎるとだしが濁り、生臭さが出るので注意しましょう。煮出しただしをざるで濾せば完成です。

■「あごだし」で料理を作るなら具材はシンプルに

AdobeStock_204577303_1000.jpg

あごだしの繊細な風味を楽しむなら、料理の具材はシンプルなものがおすすめ。野菜との相性も抜群なので、ぜひ煮物やおでんなどに活用しましょう。特に大根やレンコンなどの根菜には味がよく染み込むので、あごだしの旨味をしっかり感じられます。

また、あごだしは鍋のスープにも適しています。肉や魚、野菜をたっぷり入れたあごだしの鍋を楽しんだあとには、ぜひうどんで締め、二度おいしい鍋料理を満喫してはいかがでしょうか?

■おいしい「あごだしうどん」の作り方

あごだしをうどんのだしにするなら、具材には椎茸など香りの強いものは避け、わかめやかまぼこなど、だしの味にあまり影響しないものを選びましょう。

◎材料(1人分)
・冷凍うどん 1玉
・あご煮干し 10g
・水 300㏄
・薄切りかまぼこ 2枚
・醤油 適量
・小ねぎ斜め切り 適量
・乾燥わかめ 適量

◎作り方
1.乾燥わかめ、あご煮干しを水でもどしておく
2.1時間ほど浸け置いたあご煮干しを中火で20分ほど煮出し、あごだしを取る
4.2に、電子レンジで加熱したうどんを加え、醤油で味を調える
5.どんぶりにうどんとつゆを盛り、わかめ、かまぼこ、小ねぎをのせて完成

まとめ

奥が深い「だし」の世界。あごだし、かつおだし、昆布だしなど、素となる食材によって風味が異なります。いつもはかつおだしや昆布だしを使っているという方も、たまにはあごだしでうどん料理を作ってみてはいかがでしょうか。

冷凍うどんの製造・販売を行うキンレイでは、「おとり寄せコレクション 鍋焼うどん」を販売しています。こちらの鍋焼うどんは、カツオや昆布、椎茸などから取った奥深いだしが特徴。ぜひ、あごだしうどんと食べ比べてみてくださいね!

鍋焼うどん_シズル.jpg


キンレイのオンラインショップはこちら