長崎で生まれ、日本中で親しまれている「ちゃんぽん」。今日では、全国各地で個性的なご当地ちゃんぽんが登場しています。

ご当地ちゃんぽんには大きく分けて「具材が特徴的なもの」「麺が特徴的なもの」「スープが特徴的なもの」の3パターンがありますが、今回はそのなかでも「八幡浜」と「日田」で誕生した、スープに特徴を持つご当地ちゃんぽんについてご紹介します。

shutterstock_1116525317.jpg

スープが白くない!? ご当地ちゃんぽん

ちゃんぽんのスープといえば、白く濁っていて、豚骨や鶏ガラがベースのコクのある味わいを想像する方が多いかもしれません。しかし、日本にはその常識を覆すようなユニークなご当地ちゃんぽんがいくつもあります。

以前ご紹介した栃木県高根沢町の「高根沢ちゃんぽん」はその代表例です。スープは高根沢産の小松菜をブレンドした緑色で、従来のちゃんぽんのイメージとは大きく異なります。また、ベーシックな高根沢ちゃんぽんのスープは緑色ですが、季節限定でスープに金ゴマを使用した「高根沢ちゃんぽん 金」や、トマトを使用しイタリアン風に仕上げた「高根沢ちゃんぽん 赤」といったアレンジバージョンもあります。

鳥取には文字通りカレー色のスープをした「鳥取カレーちゃんぽん」が、韓国では唐辛子を使った赤いスープのちゃんぽんが存在します。このように、地域の特産品や住民のアイデアを活かした独創的なアレンジを楽しめるのが、ご当地ちゃんぽんの大きな魅力です。今回ご紹介する愛媛県の八幡浜ちゃんぽんと大分県の日田ちゃんぽんには、どんな特徴があるのでしょうか?

八幡浜ちゃんぽんとは

shutterstock_1408580615.jpg

八幡浜ちゃんぽんは、愛媛県の八幡浜市で生まれたちゃんぽんです。八幡浜市は愛媛県西部に位置し、古くから海上交易が盛んな港町として栄えてきました。さまざまな人が行き交うなかでちゃんぽんの文化が伝わり、八幡浜流にアレンジされた結果、「八幡浜ちゃんぽん」が誕生したとされています。

八幡浜ちゃんぽんの特徴は、なんといっても黄金色のスープ。カツオ・昆布・鶏ガラでだしをとったスープは、ちゃんぽんというより中華そばに近い印象があります。具材には一般的な野菜や豚肉のほか、地元名物のカマボコやじゃこ天を使用。水産練り製品が使用されているのは、港町・八幡浜のちゃんぽんならではの特徴といえるでしょう。

日田ちゃんぽんとは

shutterstock_678038317.jpg

「ちゃんぽんといえば白濁とした豚骨スープ」というイメージをガラっと変えてくれるのが、大分県日田市で生まれた「日田ちゃんぽん」です。日田は江戸時代には天領(幕府の直轄地)であり、九州屈指の交通の要衝としても栄えてきました。八幡浜ちゃんぽん同様、多様な文化が交差する地であったことが、日田にご当地ちゃんぽんが生まれた理由のひとつと考えられます。

多くのご当地ちゃんぽんがそうであるように、日田ちゃんぽんにも野菜や練り物などの具材がたっぷり乗せられています。一番の特徴は、しょうゆ味のあっさりとしたスープ。うどんに使用しているだしをベースにしている店もあり、「和」のテイストを感じられます。また、豚骨スープに比べてやさしい味わいなので、ごくごく飲めるのも魅力です。

同じ「しょうゆベース」でも地域によって個性は違う!

shutterstock_1018217308.jpg

八幡浜のある愛媛県と日田のある大分県は、四国と九州という地理的な違いこそありますが、豊後水道を挟んで隣り合った県ということもあってか、両者のちゃんぽんには「あっさりとしたしょうゆベースのスープ」という共通点があります。

同じしょうゆベースのちゃんぽんでも、港町で生まれた八幡浜ちゃんぽんは、地域を象徴する水産練り物をふんだんに使用しているのに対して、内陸部で生まれた日田ちゃんぽんはうどんのだしをベースにするなど、アレンジの着眼点に違いがあるのは興味深いですね。

まとめ

ご当地ちゃんぽんは、それぞれの地域の歴史や特色が見えてくる、非常に興味深いグルメです。旅行でご当地ちゃんぽんのある地域に足を運んだ際には、ぜひ一度その土地の魅力が詰まったちゃんぽんを食べてみましょう。

食品製造・販売を行うキンレイのオンラインショップでは、「お水がいらない 長崎ちゃんぽん発祥の店四海樓」を販売中です。スープ、麺、具材がひとつになっているため、鍋で温めるだけで簡単に長崎のソウルフードを楽しめます。住んでいる地域の特産物を加えて、自分なりのご当地ちゃんぽんを作ってみても楽しそうですね。

17四海楼_シズル.jpg


キンレイのオンラインショップはこちら