真夏日が続くと、どうしても食欲が湧いてこない日がありますよね。そんな夏バテ気味の日には「冷たい麺」でサラッと栄養補給してはいかがでしょうか。そうめんや冷やし中華、ざるラーメンなどを頭に浮かべる人が多いかもしれませんが、そのラインナップにぜひ加えてほしいのが「冷汁うどん」です。
群馬県や埼玉県を中心にうどんのつけ汁として親しまれている「冷汁」は、栄養満点で夏バテ予防効果も期待できる料理です。今回はゴマや大葉の爽やかな香りが食欲をそそる「冷汁うどん」の魅力をご紹介します。
群馬県の郷土料理「冷汁」とは?
冷汁とは、群馬県や埼玉県、山形県など全国各地で多くの人に食べられている、夏にぴったりの料理です。地域によって細かな違いはありますが、細かく刻んだ大葉に、すり鉢ですったごまを加え、味噌で味を調えたスープに輪切りのきゅうりを入れたものが一般的な冷汁とされています。
冷汁にはさまざまな食べ方がありますが、群馬で特に好まれているのが「冷汁うどん」です。群馬は小麦の栽培が盛んで、日本三大うどんにも数えられる「水沢うどん」のほか、桐生うどんや館林うどんなど、さまざまなうどんが楽しめる場所です。
また、群馬は「入山きゅうり」や「矢加山きゅうり」など、冷汁に欠かせないきゅうりの名産地としても有名です。こうした条件が揃った結果、自然と冷汁うどんは群馬の郷土料理となっていきました。冷汁うどんは、暑さで食欲がない日でもサラッと食べられる、夏バテ防止メニューとしておすすめの料理です。
■地域で異なる冷汁のスタイル
冷汁は、群馬から遠く離れた宮崎発祥の料理と考えられています。ただし、宮崎の冷汁は群馬のものと違い、冷たいみそ汁をご飯にかけるというスタイルが基本です。あぶってほぐしたアジやカマスなどの魚の身を入れているのが特徴であり、「お酒に合う」と多くの人から親しまれています。
冷汁は夏に摂りたい栄養が豊富
冷汁は、ただ食べやすいだけでなく、夏に必要な栄養がたっぷり入っているのが特徴です。ここでは基本の具材や調味料を見ていきましょう。
■身体のほてりを抑えるきゅうり、胃液の分泌をサポートする大葉
爽やかな風味が特徴の大葉には、さまざまな栄養素が含まれています。特に注目したいのが、ペリルアルデヒドという香り成分。胃液の分泌をサポートしてくれるため食欲がないときは積極的に摂りたい食材です。大葉にはほかにも、健康の維持に必要なベータカロテン、美肌効果のあるビタミンC、抗酸化力の高いビタミンEが多く含まれています。
夏野菜の代表格といえるきゅうりには「栄養がない」というイメージがあるかもしれません。きゅうりの95%は水分ともいわれますが、薬膳では体にこもったほてりを冷まし、渇きを潤す効果があると考えられています。きゅうりのシャキシャキとした食感がもちもちのうどんと合わされば、冷汁うどんを食べる楽しさも増えますね。
■栄養を効率よく摂取できるのも冷汁うどんの魅力
白ごまは、良質なたんぱく質のほか、ビタミンE、ビタミンB群、カルシウムなど身体に必要な栄養を多く含んでいます。冷汁を作る際にはすり鉢でごまを細かくすりつぶしますが、そうすることで香ばしさが増すだけでなく、栄養分を効率よく摂取できるようになります。
暑さで体力を消耗する夏は、食事でビタミンやミネラルを補給することが大切です。汗をかくと身体から塩分が失われてしまうので、栄養価の高い味噌を冷汁で摂取し、夏バテ予防に努めましょう。
■ご自宅で「冷汁うどん」を作ってみよう
冷汁は材料さえそろえれば簡単に調理できます。用意する材料は、うどん、味噌、水、きゅうり、みょうが、大葉、すりごま、上白糖です。
作り方はとってもシンプルで、まずは味噌、水、上白糖、すりごまを器に入れて、よくかき混ぜます。スープができたら輪切りにしたきゅうりを入れ、最後にうどんを投入すれば完成です。うどんはざるに盛り付け、食べる直前に冷汁につけても良いでしょう。大葉とみょうがは薬味として使用しますが、夏バテ予防のためにたっぷり加えるのがおすすめです。
まとめ
一度にさまざまな栄養を摂取できる冷汁は、夏バテ予防にぴったりの料理です。暑さで食欲が減退しがちな夏は、ぜひご自宅で冷汁うどんを味わってみてくださいね。
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