さまざまな具材から栄養を補給しつつ、おなかを満たす長崎のソウルフード・ちゃんぽん。アレンジの幅が広く、現在では全国各地でインパクトあるご当地ちゃんぽんが作られています。

今回ご紹介する佐賀県唐津上場の「唐津上場ちゃんぽん」は、麺料理にはなかなか使われることがない"ある具材"を使って、地域の特色をアピールしたご当地ちゃんぽんです。今回は「唐津上場ちゃんぽん」が誕生するまでの歴史と、お味の特徴をご紹介します。

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唐津上場ちゃんぽんとは

唐津上場ちゃんぽんは、佐賀県北部に位置する唐津上場(肥前町・鎮西町・呼子町・玄海町からなる地域の総称)で開発されたご当地グルメです。コリコリとした食感のイカの口、通称「トンビ」をメインの具材として使用しているのが最大の特徴で、塩ベースのスープには地元産の野菜のうまみが溶け込みます。トンビは通常のイカ料理では捨てられることが多いため、唐津上場ちゃんぽんのようにメイン具材として使用されるのは珍しいといえるでしょう。

唐津上場ちゃんぽんは、平成24年に佐賀県武雄市で開催された「全国ご当地ちゃんぽんフェスティバル」に合わせ、唐津上場商工会青年部によって作られました。トンビや野菜など、地元産の具材のほか、スープには唐津市の加唐島で製塩された塩を使用するなど、唐津上場の魅力が詰まったご当地ちゃんぽんに仕上がっています。

■唐津ってどんなところ?

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九州北西部に位置し、玄界灘に臨む地であったことから、はるか昔には唐(617~907年までの中国の呼び名)との貿易の中心地であった唐津。東部には「日本三大松原」の一つである「虹の松原」が、西部には国の天然記念物に指定されている景勝地「七ツ釜」があるなど、自然豊かな地域です。

全国にはさまざまなご当地ちゃんぽんがありますが、地元で海の幸と山の幸の両方を調達できる点は、唐津上場ちゃんぽんの大きな強みといえるでしょう。

唐津上場ちゃんぽんの特徴

■イカの口(トンビ)ってどんなもの?

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唐津上場ちゃんぽんに入っている「トンビ」は、地元では「イカの街」として知られる呼子町でとれたものです。イカの口を「トンビ」と呼ぶのは、鋭くとがった形と黒い色がトンビのくちばしに似ているからといわれています。イカは魚を主食としているため、魚の肉を裂くトンビには筋肉が多くつき、コリコリとした食感に。その独特の食べ応えと味わいが多くのファンを生んでいます。

イカ料理では捨てられてしまうことが多いトンビですが、トンビの「爪」とよばれる固い部分をしっかり取り除いた後、串に刺し、食塩水に浸してから焼けば、串焼きとしてもおいしく食べられます。イカを調理する機会があればぜひ試してみましょう。

沿岸部と内陸部で異なる佐賀のちゃんぽん

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ちゃんぽん発祥の地・長崎と隣接する佐賀県には「唐津上場ちゃんぽん」のほか、「武雄ちゃんぽん」というご当地ちゃんぽんも存在します。

佐賀県武雄市は内陸部にある炭鉱の町です。そんな地理的条件もあってか、武雄市のお店で出るちゃんぽんは唐津上場ちゃんぽんと違い、具材に魚介類がほとんど使われません。代わりに使用されるのは、たっぷりの野菜。炭鉱で働く人たちがおなかいっぱいになるようにと、炒めた野菜がてんこ盛りのボリューム満点ちゃんぽんが生まれました。

このように、同じ県でも地域によって異なるちゃんぽんが出てくるのは、佐賀ならではのおもしろいエピソードといえるでしょう。

まとめ

唐津上場ちゃんぽんは、佐賀県唐津市の「千生ひょう太」というお店で味わうことができます。唐津上場ちゃんぽんを考案した唐津上場商工会青年部は、今後より多くの店舗で出せるように規定作成を進めていくようです。現在は塩味のみとなっていますが、醤油・豚骨などのバリエーションを広げていくことも検討されており、今後ますます唐津上場ちゃんぽんが注目されていくかもしれません。

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