1974年、大阪ガスグループの工業用ガス及び冷凍食品の製造・販売を目的とした近畿冷熱(きんきれいねつ)株式会社を設立。株式会社キンレイの社名は、この近畿冷熱に由来しています。(1991年社名変更)
キンレイのロングセラー商品「鍋焼うどん」が他社とは違い、風味豊かな澄んだつゆとコシのある麺からできているのは、キンレイ独自の作り方に秘密があるから。そしてそれが生まれたのは、実は、偶然の賜物だったのです。
なぜ、ガス会社が冷凍食品を作ったの?
海外から液体で運ばれた天然ガスを気化する時に生じる冷熱は、マイナス162度。「これを放っておくのは "もったいない"。何かに利用できないだろうか」。全社を挙げて考え出されたのが、冷凍食品でした。
大阪ガスでは、シェフによるクッキングスクールを開催していたこともあり、一流シェフの指導を受けながら、まずはハンバーグ、グラタン、スパゲッティ、酢豚、八宝菜など洋食を中心に、家庭用冷凍食品が次々と生み出されました。
また、和食も加えて欲しいというお客さまの要望から、寄せ鍋を開発。そんな中で、鍋焼うどんも生み出されたのでした。しかし、まだ一般には冷凍食品の知名度は低く、宅配サービスはすぐに拡がりません。そこで、一般家庭に受け入れてもらえるように、評判の良かったアルミ鍋入り冷凍鍋焼うどんに注力。冷凍鍋焼うどんの、おいしさの追求が始まったのです。
(2014年4月、(株)キンレイは月桂冠(株)のグループに加わりました。)
もったいない! から生まれたベストセラー
当初の冷凍鍋焼うどんは、つゆの中に麺と具を一緒にした状態で冷凍していたため、ガスコンロで煮込むと麺がのびたような食感となっていました。
ダシは、真昆布、カツオ節、椎茸などで本物の素材で作った本格的な自信作なのに・・。四国出身の開発担当者は、こう思いました。
「なんとか讃岐うどんのようなコシのある麺にできないだろうか」。
それからというもの、開発部全員で、小麦粉の配合、麺の太さなどを変えながら麺を食べ続ける試行錯誤の日々が、何ヶ月も続きました。しかし、何度、繰り返しても、冷凍後に加熱すると麺のコシが消えてしまいます。
その日も思うように麺は作れず、あまったつゆを捨てるのは「もったいない」とアルミ鍋に小分けして冷凍保存しました。
翌日、この凍ったつゆの上に冷凍麺と具を乗せて加熱したところ、なんと今までとはまるで違う、コシのある状態に仕上がったのです。
「そうか! つゆと麺を別々に凍らせれば良かったのか!」つまり、鍋を火にかけるとつゆが先に溶け、次に麺が溶けるので、コシのある状態のまま麺が仕上がるというわけなのです。
こうして、偶然から生まれた「三層構造」は、1975年に実用新案登録をしました。1978年には、関西のコンビニエンスストアから鍋焼うどんを発売。現在では、全国のほとんどのコンビニエンスストアの冷凍食品売り場で、発売されるようになり、おかげさまでその累計は1億食を突破しました。
私たちは今でも「真心の手仕事で、街の専門店を超える専門店になる」を合い言葉に、もっと美味しくできないだろうかと日々、味の改良を重ね、みなさまに永く愛される商品作りを目指しています。
(※2015年3月日経POSデータ販売金額集計より)
こんなところにもキンレイ
1980年代頃からうどん・そばなどの玉麺が多くのレストランにて採用していただいています。2006年頃からは具付麺を採用していただき、今ではレジャー施設やカラオケでも好評をいただいています。