世界には多様な宗教があり、信仰を持つ人にとってその教えは生活の基盤です。近年では、マレーシアやインドネシアからの訪日旅行者が増加しており、「おもてなし」を考えるうえでは、イスラム文化についての理解が不可欠となりました。

イスラム教にはさまざまな行動規範がありますが、豚肉やアルコールを避けるという食生活もそのひとつです。今回はイスラム教で食べることが禁じられている食材と、それを使わないうどんのアイデアをご紹介します。

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イスラム教の行動規範で禁じられている食べ物

イスラム教の信者である「ムスリム」は世界に約16億人存在するといわれています。ムスリムは神アッラーの教えを日々実践して生活していますが、その例として代表的なのが、1日5回の礼拝と、「豚」「アルコール」「血液」「宗教上の適切な処理が施されていない肉」を避ける食事です。豚は肉だけではなく、ゼラチンやラードなど、豚由来の成分を摂ることも禁じられています。

イスラム教の教えでは酒を飲んで酔ってしまったときの害が指摘されているため、味つけや香りづけでアルコールが使われる料理は基本的には避けなければならないのだとか。ただし発酵過程でアルコールが自然に産生される醤油やみりんなどの調味料の使用を認めるかどうかは、宗派や指導者の違いで考え方が分かれます。アルコールの濃度が一定以下なら問題ないと考える人がいる一方で、消毒などにアルコールを使ったものはすべて食べられないと考える人もいます。

■ほかの宗教の食に関する行動規範

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タイやミャンマーなどに住む厳格な仏教徒や僧侶のなかには、肉全般と五葷(ごくん)と呼ばれるニンニク、ニラ、らっきょう、玉ねぎ、アサツキを避ける方もいます。インドやネパールで信仰されているヒンドゥー教では牛は神聖な動物として扱われているので、牛肉を食べることはありません。宗教によって食事の規範はさまざまなので、海外の方と食事をする際は、相手の文化を尊重し、受け入れる心構えを持ちましょう。

ハラール認証の食品でうどんは作れる?

■ハラール認証の食品でうどんは作れる?

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イスラム教では、神に許されているものや行動を「ハラール」、禁じられているものを「ハラーム」と呼んで区別しています。ハラール認証とは、使用する原料はもちろん、製造施設や設備に至るまで、イスラム教で「ハラール」とされるもののみを使用して作られたものを保証する制度です。

日本で生産されているハラール認証製品には、醤油や味噌、マヨネーズなどの調味料や、海苔やジャムなどの加工食品、小麦粉、カレー粉、うどん、そうめんなどがあります。

■ハラールうどんのアイデア

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うどんは小麦粉と塩、そして水というシンプルな材料で作られています。具材に野菜、果物、魚、卵、牛乳など、イスラム教で許されている食材だけを使用すれば、ムスリムの方にも喜んでもらえるうどんが作れるでしょう。味付けにハラール認証の醤油やマヨネーズを使って、「おろし醤油うどん」や「サラダうどん」を作ってみてはいかがでしょうか?

まとめ

原材料や調理の過程が明確なハラール食品は、ムスリムだけに意味があるものではなく、誰にとっても安心できるものです。実際に豚肉やアルコールを使わないうどんを作って、イスラム教やハラールへの理解を深めてみませんか?

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