季節を問わず、国内外から多くの観光客が訪れる沖縄。昔からアジア圏との交流が盛んだった沖縄には、独自の食文化が根付いています。沖縄料理といえばソーキそばやゴーヤチャンプルーが有名でしょう。しかし地元の方が多く利用する食堂では、ボリューム満点で価格もリーズナブルな「沖縄ちゃんぽん」が人気なのだとか。

ちゃんぽんと聞くと、乳白色のスープにもちもちの中太麺と、たっぷりの具材が入った麺料理を想像する方が大半ですが、沖縄のちゃんぽんは麺料理ではなく、なんと「ご飯」もの。今回は、そんな"沖縄ちゃんぽん"をはじめとする全国の個性的なご当地ちゃんぽんをご紹介します。

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沖縄ちゃんぽんとは

沖縄県の飲食店で味わえる"ちゃんぽん"は、さまざまな具材を炒め合わせ、卵でとじたものをご飯にのせた料理です。沖縄では麺料理のちゃんぽんよりも、ご飯もののちゃんぽんのほうがポピュラーで、コンビニでも日常的に売られています。炒めた野菜をご飯にのせる点は中華丼に似ていますが、盛り付けられるお皿は平たく、タコライスと同様にスプーンを使って食べるのが特徴です。

沖縄ちゃんぽんの作り方は店によって異なるものの、一口大に刻んだ野菜(キャベツ、たまねぎ、にんじん、もやし、にらなど)にポークランチョンミートやコンビーフを加えて炒め、塩コショウと出汁で味を付けるのが一般的です。最後に炒めた具材を卵でとじ、ご飯にのせれば完成。栄養もボリュームも十分なのに、600円前後で食べられることも地元で愛される理由となっています。沖縄県に行ったら、B級グルメの沖縄ちゃんぽんをぜひ食べてみましょう!

全国各地の個性派ちゃんぽんをご紹介!

飯ものの沖縄ちゃんぽんは極端な例ですが、具材や製法に特徴があるちゃんぽん(麺料理)は全国各地に存在します。ここからは、とくに個性的なちゃんぽんを3つご紹介しましょう。

■高根沢ちゃんぽん(栃木県)はスープの色に注目

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高根沢ちゃんぽんは、栃木県のほぼ中央に位置する高根沢町のご当地グルメ。小松菜をペーストにしてスープに合わせた緑色のスープは、ヘルシーで優しい味わいが魅力です。麺の上には枝豆などの野菜がたっぷりのせられ、高根沢の田園風景を鮮やかに表現しています。

高根沢ちゃんぽんは、栃木県発祥の「高見沢ちゃんぽん」とは?でもご紹介した通り、季節によって旬の具材を使った限定メニューが販売されるのも大きな特徴です。全国のご当地ちゃんぽんがそろうフードイベントで見かけたら、ぜひ食べてみたいですね。

■戸畑ちゃんぽん(福岡県)は細蒸し麺を使用

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北九州市の戸畑区を中心に人気を集める戸畑ちゃんぽんは、もっちりとした食感でありながら淡白な味わいの細蒸し麺を使っているのが特徴です。ツルツルした麺はこってりとした豚骨スープによく絡み、独特の味わいを生み出します。

細蒸し麺は一度蒸した状態で厨房に置かれるため、注文を受けた後、湯通ししてほぐすだけで素早く提供されます。この提供スピードの速さが製鉄所で働く忙しい労働者の間で評判となり、戸畑から周辺地域に広まっていったのだとか。

■スープが冷めにくい尼崎の"あんかけ"ちゃんぽん(兵庫県)

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尼崎のちゃんぽんは、具材にとろりとしたあんがかかっているのが特徴です。尼崎にちゃんぽんを伝えたのは、高度経済成長期の集団就職で九州から尼崎にやってきた人々だといわれています。

九州から伝わったちゃんぽんの具は、尼崎の工場で働く人々の食欲を満たすために、あんかけにアレンジされました。さまざまな文化が交わる産業都市ならではの味わいは、今もなお多くの人に愛されています。

まとめ

沖縄のちゃんぽんが麺料理ではないというのは衝撃でしたが、日本全国には個性あふれるちゃんぽんが数多く存在しています。旅行の際はご当地ちゃんぽんを味わって、その土地の食べ物の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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