秋は空気が乾燥し、草木が徐々に枯れていく季節。人間の身体も植物と同じように水分を失い、肌荒れや便秘などの不調に悩まされるようになります。秋はのどの乾燥から風邪をひくことも多く、夏の間に溜まった疲労をどっと感じる時期ともいえるでしょう。

「病気ではないけれど、なんとなく調子が悪い」という状態を、食べ物に含まれる栄養で改善するのが薬膳の考え方です。薬膳で使われる食材としては、滋養強壮効果のある高麗人参やナツメが有名ですが、今回はうどん料理で気軽に摂取できる旬の食材をご紹介します。

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秋にピッタリの薬膳とは?

薬膳とは、東洋医学の考え方をもとに、体質や体調、季節などに合わせて食材を選んだオーダーメイドの料理のことです。薬膳が生まれた中国では、もともと食べ物と薬に区別はなく、自然にあるもので体調のバランスをとっていました。「身体を温める食材」「血の巡りをよくする食材」などを使い分ければ、食生活で身体の不調を改善できるというのが薬膳の基本となる考え方です。

薬膳では、風邪や便秘などの不調に悩まされる秋には、水分を多く含んだ酸味のある果物(カリンやザクロ、ナシなど)を食べるのがよいとされています。また、大根やレンコン、白きくらげなどの白い食材は肺を潤す効果が期待できるため、寒い季節には積極的に摂取したいところ。薬膳の知識をレシピに活かせば、家庭でも身体の水分代謝、血液循環を促進させる料理を作ることができるので、食材の効果に注目して秋の食卓にピッタリのメニューを考えてみましょう。

薬膳の考えをうどん料理に取り入れよう!

■イライラや不安感で元気が出ないときに「ユリ根」

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京懐石やおせち料理でよく使われるユリ根は、秋の薬膳うどん料理にもピッタリの食材です。ユリ根には肺や気管を潤したり、精神疲労から来るイライラや不安感を鎮めたりする作用があるといわれています。肌に潤いを与える作用も期待できるため、ニキビや吹き出物ができやすい体質の方は、ユリ根を食べて身体の内側から肌荒れ対策をしましょう。

ユリ根はホクホクとした食感とほんのりとした上品な甘さが特徴で、カレーによく合います。寒さのせいか、なんだか気分が上がらないというときは、同じく身体を潤す効果がある白きくらげと一緒にカレーうどんの具材にしてはいかがでしょうか? 薬膳では、乾燥した食材にも生の食材と同じ効果があると考えられているので、乾燥ユリ根(ビャクゴウ)を使ってもいいでしょう。

■消化不良や二日酔いに「春菊」

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秋から冬に向けて旬を迎える春菊には、胃腸の機能を整える効果があるといわれています。二日酔いや消化不良で辛いときに摂取すれば、嘔吐や口臭の対策になるでしょう。また、春菊は鉄分、カルシウム、ビタミンAが豊富に含まれており、薬膳では不眠多夢を解消する食材としてさまざまな料理に用いられています。

春菊を鍋焼きうどんの具材にすれば、出汁と一緒に素材の味をしっかりと楽しむことができます。また春菊のほか、五臓の働きを補い血や水を生み出す作用が期待できるマイタケや、食欲不振に効果があるといわれているレンコンを天ぷらにして、秋にピッタリの天ぷらうどんを作ってもいいですね。

■肝機能の改善には「アボカド」

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「森のバター」とも呼ばれ、栄養価の高い果物として知られるアボカド。季節を問わず市場に出回っているので、食べごろを気にする人は少ないかもしれませんが、疲労の蓄積を感じやすい秋にはピッタリの食材です。アボカドはコレステロールを減らす働きのあるオレイン酸を多く含んでいるので、便通や肝機能の改善に役立つとされています。

アボカドをうどん料理に取り入れるなら、エビとアボカドのサラダうどんがおすすめです。エビには、コレステロールや血圧をコントロールする働きや、身体を温めてスタミナをつける強壮効果があります。エビとアボカドの組み合わせは定番ですが、血液循環や新陳代謝を促進させるためにも、一緒に食べるのが望ましいといえるでしょう。

まとめ

薬膳の知識を活かして献立を考えれば、健康を意識するきっかけになるかもしれません。虚弱体質で薬やサプリメントに頼りっぱなしの方は、滋養強壮効果や血液循環をよくする効果のある食材をうどん料理に取り入れて、寒さや渇きに負けない身体を作りましょう。

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