国土を海に囲まれた日本では、古くから貝や魚、海藻などの水産資源を使って様々な加工食品が作られてきました。その代表格ともいえるのが、魚のすり身を成形し、加熱して作る「練り物」です。地元で獲れる魚を原料に、各地の風土に合った形で発展した練り物は、おでんや煮物をはじめ、多くの家庭料理になくてはならない存在となっています。

今回は、各地で親しまれている練り物の種類と特徴を整理しながら、冷凍うどんと相性のいい練り物をご紹介していきます。ご家庭でも、うどんと練り物の組み合わせを試してみてはいかがでしょうか?

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練り物とその種類

練り物(水産練り製品)とは、魚肉に塩を入れてすりつぶし、形を整えて加熱した食品の総称です。一般的な板付きの蒸しかまぼこは、スケトウダラやグチなどを原料として製造されますが、練り物の種類やその製造地域によっては、特産品であるカマスやトビウオなどを使用する場合もあります。練り物にどんな魚を使うかによって「足」と呼ばれる歯ごたえ(うどんでいうコシ)に個性が生まれるため、日本では各地の特産品や食文化を反映して、特徴の異なる練り物が誕生しました。

■「かまぼこ」とは?

「かまぼこ」と聞いて、多くの人が頭に浮かべるのは、うどんにトッピングされることも多い「蒸しかまぼこ」の姿でしょう。しかし分類上は、なると巻き(ゆでかまぼこ)、さつま揚げ(揚げかまぼこ)なども「かまぼこ」の一種とされています。それぞれのかまぼこは、味や舌触り、足の強さなどの違いがあるため、煮物やフライなど、それぞれの個性が活かせる調理法を検討しましょう。

うどん料理と相性のいい練り物とは?

■どんな料理にも合う練り物の原点「ちくわ」

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グチやエソなどのすり身を竹に巻いて作る「ちくわ」は、その製法が室町時代の文献で確認できることから水産練り製品の原型といわれています。そのまま食べてもおいしいですが、炒め物や和え物など用途は幅広く、おかずに困ったときのために冷蔵庫に常備しているというご家庭も多いのではないでしょうか?

ちくわの天ぷらは衣のサクサク感とちくわのモチモチ感のコントラストが楽しめる一品で、讃岐うどんの定番のトッピングとしても人気を博しています。家庭でちくわ天を作る際は、お好みで衣に青のりを混ぜ磯部揚げにしてもいいでしょう。価格も安く、一年中手に入るちくわは、冷凍うどんのお供にピッタリの練り物です。

■出汁を吸ったジューシーな「はんぺん」

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はんぺんは、すり身と山芋によって気泡を抱き込ませて作られたふわふわの食感が最大の特徴です。家庭料理では主におでんの具やフライの材料として重宝されていますが、うどんの具材にするとはんぺんが出汁を吸い、ジューシーで食べ応えのある一品に早変わりします。うどんだけではボリュームが物足りないというときにプラスしてみてはいかがでしょうか。

はんぺんと同じ茹でかまぼこに分類される練り物には、「なると」や「つみれ」、魚のすり身を作るときに除かれた筋や軟骨を使って作られた「筋」などがあります。茹でかまぼこは練り物の中でもとくに煮込み料理と相性がいいので、煮込みうどんの具材におすすめです。

■博多うどんでおなじみのトッピング「さつま揚げ」

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さつま揚げはごぼう天やじゃこ天と同じ「揚げかまぼこ」の仲間で、鹿児島では「つけ揚げ」、関西では「天ぷら」と呼ばれることもあります。すり身を油で揚げるため風味が濃厚で、サッとあぶって生姜醤油をつけて食べると、素材そのものの味を最大限に楽しめるでしょう。

丸く成型されたさつま揚げは博多では「丸天」の呼び名で知られ、うどんのトッピングとして日常的に食べられています。すり身にゴボウやニンジン、玉ねぎなどの野菜を混ぜ込んで作られているので、さつま揚げ一つでいろいろな味が楽しめるのが魅力です。

まとめ

今回は製造工程の違いによる練り物の種類を整理しながら、冷凍うどんと相性のいい練り物をご紹介しました。練り物は加熱する必要がないので、短時間で調理が完了することも冷凍うどんと合わせやすい理由の一つ。冷凍うどんを鍋で温めている間に練り物を食べやすい大きさに切ってのせるだけで、シンプルなうどんを何倍もおいしく食べることができます。

食品製造・販売を行うキンレイのオンラインショップでも、蒸しかまぼこをうどんに添えた商品を数多くそろえています。ぜひこの機会に、鱧かまぼこがのった「おとり寄せコレクション 鍋焼うどん」でうどんと練り物のコンビネーションを味わってみてくださいね。

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