たけのこやうどなど春に野山で採れる食材には、一年中食べられる野菜にはない独特の風味があります。その苦みや渋みが子どものころは苦手だったという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、苦みのある食材には貴重な栄養が含まれていることをご存知でしょうか?

今回は山菜や菜の花などの苦みに注目し、それぞれに含まれる栄養素が体に与える影響についてご紹介していきます。春は苦みのある食材を摂って、身体の調子を整えましょう。

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「春には苦味を盛れ」といわれる理由

日照時間が長くなり、寒さで縮こまっていた身体を動かしたくなるこの季節。雪解けと同時にふきのとうが芽吹くと、日本列島には本格的な春が訪れます。昔から「春には苦みを盛れ」といわれ、山菜や菜の花などの春野菜が多くの家庭で食されてきました。多くの春野菜には独特の苦みやえぐみがあり、調理ではアク抜きが必要ですが、その手間を惜しまず春に食べるべき理由とは一体何でしょうか。

その理由は、春野菜の苦みやえぐみの正体であるポリフェノール類にあるといわれています。ポリフェノール類には新陳代謝を高め、身体に溜まった老廃物を外に出し、身体を目覚めさせる効果が期待できるのだとか。つまり、春の野菜を食べると、冬の間に溜まった老廃物が身体の外に出るため、身体の調子を整えられるというわけです。苦みのある野菜は、「冬の身体」から「春の身体」への移行を助けてくれる栄養源として古くから重宝されてきたのです。

うどんにピッタリの春食材とその栄養素

■山菜うどんでもおなじみの「わらび・ぜんまい」

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先端がくるりと丸まっている「わらび」は、山菜うどんにも使われる山菜の代表格。利尿作用や通便作用のある成分を多く含むため、冬の間に溜め込んだ有害物質や老廃物を排出するにはもってこいの食材です。「ぜんまい」に多く含まれる食物繊維は、胃に収まると水分で膨張し満腹感をもたらします。冬の間の体型変化が気になっている方にとっておすすめの食材といえるでしょう。

■貴重な栄養をおいしく摂取できるたけのこ・うど

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たけのこや日当たりのいい露地に自生する山うどには、疲労回復効果のあるアスパラギン酸が含まれています。アクティブに動くことが増える春にはぜひ味わいたいものです。たけのこは脳を活性化させる物質の原料となるチロシンを豊富に含んでおり、やる気を高められる食材として近年注目を集めています。香りや食感を堪能しながら効率的に摂取するためには、天ぷらにしてうどんにのせるのがおすすめですよ。

山うどの香り成分ジテルベンは自律神経系に働きかけ、からだのみならず、精神の安定にもよいとされています。芽と茎の部分はきんぴらや和え物にして、独特の香りを味わいましょう。また、山うどの根の部分は神経痛や頭痛、解熱の緩和に用いられる漢方「独活」としても利用されています。

■つぼみも葉も栄養満点の「菜の花」

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苦みと聞いて真っ先に頭に浮かぶかもしれない菜の花は、ビタミン、ミネラル類が豊富な食材です。文部科学省が公開する食品成分データベースによると、菜の花100g当たりに含まれるカルシウムの量はほうれん草の約3.2倍、ビタミンCはほうれん草の約3.7倍、鉄はブロッコリーの2.9倍の量を含んでいます(茹でる前の生の状態)。植物の花や蕾には栄養がたくさん詰まっているので、菜の花のような花芽野菜から効率よく栄養を摂取したいですね。今が旬の食材だからこそ、スーパーなどで手軽に購入できる点もうれしいポイントでしょう。

まとめ

今回は「春には苦みを盛れ」といういわれにちなんで、うどんと一緒に食べたい栄養満点の春野菜をご紹介しました。苦みのある野菜をうどんと一緒に食べ、春本番に向けてしっかりと体調を整えましょう。

苦みやえぐみのある野菜は、アク抜きをすることで素材本来の香りと食感を味わうことができます。冷凍うどんなどの食品製造・販売を行うキンレイのオンラインショップには、お鍋で温めるだけですぐに食べられる具付きの冷凍うどん商品もたくさんそろっています。この機会に、下茹でした山菜をのせて自己流にアレンジしてみてはいかがでしょうか?

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