冬至と春分の中間にあたる立春は、二十四節気で「春の始まり」と位置付けられている日です。立春を迎えると、だんだんと日照時間が延びていくのを実感できるようになり、さまざまな草花が芽吹く中で、食べごろを迎える野菜もちらほら現れます。

2月や3月に旬を迎える野菜の代表格が、菜の花やアスパラ菜などの「花芽を食べる野菜」です。その独特の風味と食感を堪能できるのは、1年の中でも立春からのわずかな期間に限られるため、花芽野菜が旬を迎えたら、いろいろなお料理に取り入れて春の味を満喫しましょう。今回は花芽野菜の特徴と、うどん料理においしく取り入れる調理法をご紹介します。

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二十四節気と立春の関係

立春は1年の太陽の黄道上の動きを24等分して決められた二十四節気において、昼の長さが一番短い冬至と、昼と夜の長さが等しくなる春分の日のちょうど中間にあたる日です。立春の日付は2月4日前後で年によって異なりますが、旧暦では立春が一年の始まりと考えられていました。唱歌「茶摘み」で歌われる「夏も近づく八十八夜」というフレーズは、立春を基準に作物の栽培が行われていたことの名残で、他にも台風が訪れるといわれる「二百十日」や「二百二十日」など、立春を基準とした節目の表現が今も残っています。

立春ごろはまだ気温が低いため、農作物は育たないと思われがちですが、低温の状況に一定期間置かれることで成長のスイッチが入る作物もあります。菜の花やアスパラ菜などのアブラナ科の植物は、まだ気温が低いうちにとう立ち(茎や葉に分化していた茎頂部が花に分化)し、食べごろを迎えるのです。独特の香りや食感から、春の訪れを感じられる味覚として楽しんでみてはいかがでしょうか。

花芽野菜を食べる際の下ごしらえ・調理方法

■花芽野菜の品種と鮮度の見分け方

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花芽野菜には菜の花やブロッコリーのほか、オータムポエムという品種が有名なアスパラ菜などがあります。上の写真はコウサイタイという中国原産の野菜で、形は菜の花と似ていますが、個性的な見た目とは裏腹に苦みやえぐみがほとんどないのが特徴です。コウサイタイは熱を加えると茎の紫が緑色に変化する性質があるため、シンプルに塩茹でしてクセのない味や色の違いを楽しみましょう。

花芽野菜をスーパーや八百屋で購入するときは、つぼみがキュッと閉まっていて切り口がみずみずしいものを選びましょう。葉が白っぽくなっているものは鮮度が落ちている証拠なので、色の鮮やかさにも注目して選んでみてください。

■菜の花は茹で過ぎに注意

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茎の細い花芽野菜を調理する際は、下ごしらえとゆで時間にこだわりましょう。菜の花は調理前に茎の一番下の部分を5mmほど切り取り、全体を30度くらいのぬるま湯で洗った後、切り口を20分ほどぬるま湯につけておくと、茎が十分に水を吸うことでシャキッとした食感が強調されます。

菜の花などの花芽野菜に限らず、緑の野菜は茹で過ぎると色や栄養が水に溶けて抜けてしまうので、調理は手早く行うことがポイントです。菜の花のゆで時間の目安は茎から30秒、葉も入れてさらに30秒の合計1分ほど。たっぷりの沸騰したお湯に多めの塩を入れてサッと茹でますが、茹でたあとにすぐ冷水に取ると色よく仕上がります。

茎が太いブロッコリーは房を小分けにしてから2~3分ほど茹でた後、ざるに上げて水気を切ります。菜の花のように水につけて冷まそうとすると、ブロッコリーの小さなつぼみが水を含んで食べるときに水っぽくなってしまうので、常温やうちわであおいで冷ましましょう。

■かき揚げにすれば栄養が効率よく吸収できる

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旬の花芽野菜は、さっとゆでてマヨネーズをつけるだけでも十分おいしいのですが、かまぼこや油揚げなどの定番の具材と一緒にうどんに乗せて食べると、寒い日にもぴったりのおいしいうどんができあがります。

また、菜の花などに多く含まれるカロテンは油脂と一緒に摂取すると吸収率を高めることができるので、長ネギや桜エビなどお好みの具材とかき揚げにして食べるのもおすすめです。花芽野菜をうどんと炒めて焼うどんを作ってもいいですね。花芽野菜自体に味があるので、味付けはシンプルに決めましょう。

まとめ

今回は立春ごろから旬を迎える花芽野菜をご紹介しました。菜の花やアスパラ菜は簡単な調理でおいしく食べることができるので、スーパーなどで手に入れることができるうちに、旬の味を存分に堪能しましょう。

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