少しずつ朝晩の涼しさを感じ始めるこの頃。そんな日は、出汁のきいたおいしいうどんが食べたくなりますよね。そんなとき、手軽に済ませるために市販の出汁に頼っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、うどん料理において、そのおいしさを左右するといっても過言ではない「出汁」にフォーカス。果たして、おいしさを引き出す出汁のポイントとは?

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食材に秘められた「旨味」とは

出汁は天然の素材から旨味成分を抽出したスープ。その味わいや香りは、うどん料理の基盤となる大切なものです。日本はかつて、旨味成分を多く含む「肉」を食べる習慣がありませんでした。そのため、古くから乾燥させた魚や海草、野菜などから旨味成分を引き出す方法が根付いたとされています。

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旨味は、さまざまな食材に含まれています。鰹節や煮干し、昆布や干ししいたけなどがその代表で、「アミノ酸系」「核酸系」「有機酸系」の3つの成分に大別できます。さらに、旨味には相乗効果があり、昆布などに含まれるアミノ酸系のグルタミン酸と、鰹節などに含まれる核酸系の成分を組み合わせると旨味が8倍に感じられる、という研究結果も報告されています。

和風出汁の代表格!4選

■香りもごちそう「鰹節」

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『古事記』に神様のお供え物として記されているほど、古くから親しまれてきた鰹節。イノシン酸やグルタミン酸などの旨味成分が含まれており、なかでもイノシン酸の含有量が豊富です。食欲をそそる香り成分は実に90種類以上。うどんの出汁に使う鰹節は、厚めに削ったものが良いと言われています。

鰹節は、日干しのほかにカビの力で乾燥させています。節の中の水分を抜き、風味を与える優良カビを使用することで有害菌の侵入をブロック。脂肪分を分解して酸化を防ぐため、長期保存が可能となるのです。この"カビつけ"をすることで、より旨味成分や香り成分がアップするといわれています。ちなみに、2回以上カビつけした鰹節を「本枯れ節」と呼び、カビつけの回数が多いほど高価になります。

■食べられて出汁も取れる「昆布」

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昆布に含まれる旨味の正体は、10種類のアミノ酸。その代表格といえるグルタミン酸は、旨味の存在を発見するきっかけになった成分で、鰹節のイノシン酸や干ししいたけのグアニル酸と組み合わせると、その相乗効果でよりおいしさを感じることができます。

昆布の主産地は北海道で、国内消費の95%が北海道産。採れた昆布は、すべて手間ひまかけてじっくりと乾燥させています。旨味が強い羅臼昆布、煮物にも使える利尻昆布、家庭料理に向く日高昆布、繊細な料理に使う真昆布など、採れる浜によって形も厚みも香りも異なります。料理に合わせて使い分けてみるのもいいですね。ちなみに、肉厚で幅が広く、1枚の重量が多いものが高級品とされており、一等から四等まで、または加工用に分類されます。

■醤油との相性抜群!「煮干し」

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煮干しは古くから保存食用につくられており、奈良時代には調味料の代わりに使われていました。そして明治時代には、瀬戸内海沿岸や関東地方を中心として、うどんの汁や味噌汁にも煮干しが使用されるように。煮干しからとれる出汁は、醤油や味噌の成分と相性抜群。野菜を使用した料理にもピッタリです。

■ビタミンが生の約8倍!「干ししいたけ」

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カルシウムの吸収を高めるビタミンDが、生の約8倍も含まれている干ししいたけ。旨味成分のグアニル酸は、昆布のグルタミン酸と合わせることでおいしさがアップします。商品の袋に「天日干し」の記載がないものは、機械乾燥させているタイプ。1時間ほど天日干しすると、栄養価や風味が増すという特徴があります。

まとめ

いかがでしたか? 今回はおいしいうどん出汁のポイントについてご紹介しました。鰹節や昆布からとった一番出汁や煮干し出汁に、淡口醤油やみりんなどの調味料を加えた「うどんのかけつゆ」で、ぜひ自分ならではのおいしいうどん料理を楽しんでみてくださいね。

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