皆さんは「五目あんかけラーメン」と聞いてどのような料理を思い浮かべますか? きっと、ニンジンやたけのこ、豚肉など数種類の具材を炒め合わせ、とろみをつけたものを、しょうゆ味のラーメンに乗せた料理を想像する方が大半でしょう。しかし、なかには「それは広東麺で、あんかけラーメンとは別物」と考えている方もいるかもしれません。

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とろみがある麺料理=広東麺

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「五目あんかけラーメン」「広東麺」「サンマーメン」には、「麺の上にあんをまとった具材が乗っている」または「スープ自体にとろみがある」という共通の特徴があります。このうち、サンマーメンは、野菜が細切りにされている点でほかの2つとは一線を画していますが、五目あんかけラーメンと広東麺には明確な違いがありません。そのため、中華料理店やラーメン店では、独自の解釈で該当するメニューに名前がつけられています。

五目あんかけラーメンの具材には、さまざまな種類の野菜や肉類、魚介類が使われます。詳しい経緯ははっきりしていませんが、日本には片栗粉を使ってとろみをつけた料理を「広東風」として売り出してきた歴史があり、あんかけラーメンにもさまざまな呼称が生まれました。「広東麺」の呼び名は日本独自のもので、「天津飯」や「台湾ラーメン」と同様に海外では通用しないので注意しましょう。

また、お店によっては、あんかけラーメンのうち塩ベースのものを「五目ラーメン(五目そば)」、醤油ベースのものを「広東麺」というように区別していることもあるようです。オーダーの際は、メニュー写真を見たり店員さんに尋ねたりして、自分が想像している料理と一致しているかを確認したほうがよいかもしれませんね。

「五目あんかけラーメン」と「サンマーメン」の特徴

■海の幸・山の幸を両方楽しめる「五目あんかけラーメン」

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「五目」は具材が5種類入っていることではなく、「さまざまな材料を、味や彩り、栄養のバランスを考えて取り合わせたもの」を指しています。

よく使われる具材は、豚肉、むきえび、イカ、うずらの卵、白菜、ほうれん草、たけのこ、きくらげ、ニンジンなど。それらの具材は一口サイズかそれよりやや大きめに刻まれ、サッと火を通し、片栗粉でとろみをつけた状態で麺の上に置かれます。スープの味付けに使われるのは醤油やオイスターソース。具材の旨味をあんで閉じ込め、コクのある味わいに仕上げます。子どもから大人まで楽しめる、優しい味が魅力です。

■白菜・もやしのシャキシャキ食感が魅力の「サンマーメン」

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サンマーメンは神奈川県横浜市の中華料理店で生まれたとされる、横浜のご当地ラーメン。漢字では「生碼麺」と書き、新鮮で活きのよい具材を使った麺料理という意味があります。主な具材はもやし、豚肉、ニンジン、季節の青菜など。五目あんかけラーメンとは異なり、野菜が細切りにされている点が特徴です。スープは広東麺と同様に塩ベースと、醤油ベースの二派があり、店によって少しずつ味付けが異なります。

サンマーメンのルーツは、物資が少なかった時代、身近な食材を使って作られていた中華料理店のまかないにあります。細く切った野菜が使われているのは、新米の料理人がまかないで細切りの練習をしていた名残なのだとか。

「サンマーメン」を初めてお客さんに提供したのは、横浜中華街の人気店「聘珍樓」で、その歴史は昭和初期までさかのぼります。聘珍樓では具材に大豆と緑豆の2種類のもやしを使用し、今も当時の味を守っているのだそうです。

まとめ

五目あんかけラーメンと広東麺はほぼ同義であり、具材が細切りのサンマーメンも、味付けにはこれといった決まりがないようです。提供するお店によって味付けが変わるので、いろいろなお店の「あんかけ」ラーメンを食べ比べてみるのも楽しそうですね。

冷凍うどんの製造・販売を行うキンレイでは、「横浜中華街発展会協同組合」監修の「お水がいらない 五目あんかけラーメン」を販売しています。こちらは香味野菜と鶏ガラの旨みが詰まった、醤油ベースの仕立てで、白菜、もやし、チンゲン菜など野菜も摂れます。お鍋に入れて温めるだけの簡単調理で食べられるのもポイント。ぜひご家庭でご堪能ください。

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