茹でたてのうどんは、噛めばモチモチ、すすればツルツルの食感がとっても魅力的ですよね。老若男女を問わず愛されるうどんの麺を自宅で打つことができるなら、ぜひ一度チャレンジしてみたいものです。うどんの材料はスーパーで簡単に揃うものばかりですが、材料と用具さえあれば職人でなくても簡単に打てるものなのでしょうか?

ちなみに、うどんやそばの麺を作る工程は慣用的に「打つ」と表現されます。「作る」ではなく、「打つ」と表現するのには、どんな理由があるのでしょう。今回は、うどん作りが「打つ」と呼ばれるようになった理由のほか、うどんを打つ手順とそのコツについてもご紹介します。

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「打つ」はどこからきている?

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打つという言葉には「たたく」や「勢いよくぶつける」など、"あるものを他のものに向けて強く当てる"という意味があります。うどんやそばを打ったことがある方なら、「生地を麺棒で伸ばす工程を"打つ"と呼んだのが由来かな?」と想像するかもしれません。

確かに、昔はうどんの生地を伸ばすときに木づちを使って上から叩いていたという説もあります。しかし語源としてより有力なのは、昔の中国では麺を作ることを「打麺」と呼んでおり、麺料理が日本に伝わったときに「麺を打つ」という言い方が広まった――という説です。

麺を打つという言い方以外にも、日本語の「打つ」には「寝返りを打つ」「企画を打つ」など、叩く動作とは直接関係のない用法がたくさんあります。それらの語源を探ってみるのもおもしろそうですね。

うどんを打つ手順とポイント

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ここからは、おいしいうどんに仕上げるための作業工程について解説。一口にうどんといっても稲庭うどんに代表される乾麺と、讃岐うどんのような切り麺では製法が異なります。今回はご家庭でも挑戦しやすい讃岐うどんの打ち方にしぼって、作業のポイントをご紹介していきます。

■うどんの材料

うどん(3~4人分)の材料は、小麦粉(中力粉)400g、塩水、薄力粉または片栗粉(打ち粉)の3つのみ。塩水は温度や湿度によって塩と水の配合を微調整する必要がありますが、冬は水184ccに対して塩16g、夏は水180ccに対して塩20g、春と秋はその中間が適量とされています。

■1、生地作り

まず行うのは、材料を合わせてひとつの塊にしていく作業です。大きめのボウルに小麦粉を入れたら、塩水を2、3回に分けて加え、粉となじませていきます。このとき指は大きく広げ、生地が塊になるまで根気強くかき混ぜるのがポイントです。

■2、足踏み

足踏みは、麺にコシを出すために生地を足で踏んでこねる工程です。生地を丈夫なビニール袋(2枚重ねなど)に入れたら、ゴザをかぶせて上から踏んでいきます。かかとを使ってまんべんなく踏むと生地が平になっていくので、生地を再び丸めて足踏みを続けましょう。生地表面に凹凸がなくなるまで、丸めて伸ばす工程を3回ほど繰り返します。

■3、熟成

足で踏んだ生地は「きくもみ」「へそ出し」という方法で丸め、ビニール袋に入れて常温で寝かします。夏は30分~1時間、冬は2~3時間ほど熟成させましょう。生地が指で押しても戻らないくらいの固さになれば完了です。

■4、生地伸ばし
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(画像はそばですが要領は同じです)

寝かせた生地を足で踏んで2cmほどの厚さにしたら、乾燥を防ぐために表面に打ち粉(生地が台につかないようにふるう粉)をし、麺棒を使って中心から生地を伸ばします。対角を伸ばしたら、生地を回転させ正方形を作るイメージで伸ばしていきます。ある程度の大きさになったら、手前に角が来るように生地を置き、手前から反対の角に向かって生地を麺棒に巻きつけます。破れないように気をつけながら、手のひら全体で力をかけ、厚さ3mmくらいになるまで伸ばしましょう。

■5、切り

薄く伸ばした生地に再度打ち粉をし、3、4段に折りたたんだら包丁で3mmくらいの間隔に生地を切っていきます。生地をすべて切り終わったら、余分な粉を落とすように麺をふるってほぐしましょう。

■6、茹で

あとはお湯をたっぷり沸騰させた鍋で茹でるだけです。12~13分ほど茹でたら、冷水でよく水洗いをしましょう。

まとめ

うどんの麺を打つのは決して難しくはありませんが、一つひとつの工程をおろそかにするとコシのない麺になってしまいます。小麦粉はもともと弾力のある原料ではないため、塩や水を加えたあとに時間をかけてよくこねることが、おいしいうどんに仕上げるためのポイントです。

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