
火にかけるだけで本格的なうどんが楽しめるアルミ鍋の「鍋焼うどん」。
1978年にコンビニエンスストアで発売されて以来、今や30年を超えるロングセラー商品となりました。
美味しさの秘密はだし、麺、具材を別々に冷凍する「三層構造」。
誕生の裏側にはさまざまなストーリーが…。
1974年、大阪ガスグループの冷凍食品会社として設立されたのが、キンレイの前身にあたる「近畿冷熱(きんきれいねつ)株式会社」。
なぜ、ガス会社が冷凍食品? それは、液体の天然ガスを気化するときに生じる、マイナス162度もの冷熱をなんとか利用できないかと模索した新事業でした。
(その後、1991年に株式会社キンレイに社名を変更)
ラーメン、八宝菜、スパゲティからチーズケーキまで、いろんなものを凍らせて、家庭に届けてみよう。
近畿冷熱は冷凍食品宅配サービスをスタートさせたが、メニュー数も少なく、業績は低迷。
そこで、当時の開発担当者が注目したのが、唯一好調だったアルミ鍋入りの冷凍鍋焼きうどんでした。
実は、開発担当者はうどんの本場・四国讃岐の出身。
「あの商品を改良し、讃岐うどん本来の食感を
再現できれば、宅配以外でも必ず売れるはず」
こうして、試行錯誤の日々が始まりました。
当時の冷凍鍋焼きうどんは、だしの中に麺と具材を入れた状態で冷凍していました。
だしはかつお、こんぶ、しいたけでつくった自慢の味。
しかし、ガスコンロで煮込むと、麺がのびたような歯ごたえのない食感になってしまう…。
「関西のうどんは、だしはよいが麺のコシがない」
開発担当者には、なんとしても讃岐うどんのようなコシのある麺を完成させたいという想いがあったのです。小麦粉の配合や麺の太さなどを見直し、試行錯誤の毎日が続きました。
そんなある日、だしがあまったので、捨てずにアルミ鍋に小分けして冷凍。翌日、凍っただしの上に冷凍した麺と具材をのせて加熱したところ、前日とはまるで違う、しっかりとコシのある麺に仕上がったのです。
「そうか! だしと麺を別々に冷凍するべきだったんだ!!」
凍っただしの上に冷凍麺をのせた状態で火にかけると、まず先にだしが溶け、そこに麺が沈み、のびることなく、コシのある状態に仕上がる。
キンレイ独自の「三層構造」-だし、麺、具材を分けて冷凍-が誕生した瞬間でした。
1978年、コンビニエンスストアにて発売され、1983年には「三層構造」を実用新案登録。
30年を過ぎた今も、多くのお客さまに愛される定番商品となっています。